観測された事実だけを、直感的に伝える。
最初に試したのは、90日先の予測でした。 「これから3か月のあいだに大きめの地震が起きるか」を当てようとしたのです。 結果は失敗でした。
調整期間では当たったように見えた
2000〜2011年のデータでいろいろな条件を試したところ、 統計的に意味のある結果がいくつか出ました。有望に見えました。
しかし、このとき条件を7通り試していました。 7回試せば、まったく情報がなくても1回くらいは当たったように見えます。 そこで、予測に使っていない2012〜2022年のデータで確かめることにしました。
未使用のデータでは再現しなかった
| 調整期間 | 検証期間 | |
|---|---|---|
| 予測の効き目 | +0.031 | +0.018 |
| 統計的な判定 | 有意 | 有意でない |
数値は、何も予測しない場合と比べてどれだけ良かったかを表します。0なら情報なしです。
事前に決めていた基準を満たしませんでした。 もっと重要なのは、複雑な手法と単純な手法の優劣が逆転したことです。 調整期間では複雑な手法のほうが良かったのに、検証期間では単純な手法に負けました。 調整期間で見えていた差は、たまたまだったということです。
なぜ当たらなかったのか
原因は、90日という期間の長さにありました。
地震のあとには地震が続きやすい、という性質があります。 ただしこの性質は時間とともに急速に弱まります。 大きな地震の直後は活発ですが、数週間もすれば落ち着いていきます。
90日という長い期間で数えると、この最初の数日に集中している情報が、 残りの3か月近くに薄められて消えてしまうのです。 これが失敗の理由でした。
失敗が次につながった
この結果を受けて、予測する期間を短くして試すことにしました。 それが次のページの内容です。